今回狙うのはタイトルにある通り回621D。列番の文字回送列車を狙うのであります。
え、回送列車?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの列車はただの回送列車ではありません。
というのも、この列車はもともと、北九州から筑豊地方をむすんでいる日田彦山線の朝ラッシュ時に使用した車両を車両基地がある直方駅まで回送するために運転されています。日田彦山線は非電化路線であるため、キハ47のエンジンをグレードアップさせたキハ147を主とした気動車による運転となっています。この回送列車は日田彦山線の運用に充当された車両の返却回送ですので、この回621Dはキハ147での運転かつ4両編成という割と長めの編成となり、格好の被写体であるのです。
以前は福岡近郊でも香椎線などお手軽被写体として撮影できていたキハ40系列ですが、蓄電池を用いたBEC819系の導入に伴い、香椎線や若松線などの短距離非電化路線ではキハ40などの気動車などが置き換えられてしまいました。それにより、以前は福岡近郊でも簡単に撮影できていたキハ40系列は、6連や4連などの長編成どころかキハ自体が容易に撮影できなくなってしまったのです。
つまり、この回621Dは珍しくなった長めのキハを撮影することができる列車として、数少ない貴重な存在なのです。
そんなこんなで、やってきたのは博多駅。今回は電車で移動します。
2120M 区間快速小倉行き
本当は福北ゆたか線(筑豊本線)経由で向かうつもりでしたが、朝寝坊をかましてしまったので今回は鹿児島本線→福北ゆたか線という行程でショバへ向かいます。
1時間ほどの乗車で折尾へ到着。ここで、福北ゆたか線へと乗り継ぎです。
平日の通勤通学ラッシュということもあってホームは高校生でごった返しており、電車乗れるか?といった感じでしたが割とスムーズに乗車することができました。
どうやら、利用客の半数以上は若松線ユーザーのようですね。
折尾から10分ほどで駅に到着。
無人駅でしたが、割としっかりした駅舎が建造されていました。大切に手入れされているようで、美しく保たれています。
道中は田んぼばかりでしたが、2期作をしているようです。ダイズを作っている畑もあったので農家さんによっては2毛作もやっているようですね。
それにしても、この申し分のない空。前日の夜にしっかりと雨が降ってくれたおかげか、雲ひとつない快晴。
これぞ、撮影日和という感じですな。
ということで、ショバに着いたら構図を組みます。早速練習開始です。
623H 普通 直方行き
水戸岡氏デザインの821系。氏のマイブームなのかわかりませんが、車両前面には通称イカ釣り漁船と言われる独特なライトが。前照灯は別にありますので、このライトは飾り?なのでしょうね。最近は省エネのためなのか使用されていません。
それはそうと、この汚れ具合よ。なんとも嘆きたくなる汚れですが、私はこれくらい汚い方が撮影のしがいがあって好きですね。尤も乗っている方としてはいただけませんが…😅
お次は冒頭で少々取り上げました、BEC819系。
6533H 普通 直方行き
車体前面、側面共に描かれていますが、こちら電車ではありません。
パンタグラフが生えていて電車っぽい顔をしておりますが、デンチャと申します。
私は車両に係る資料などを読み漁るのはめんどくさくてやらないので、詳しい語源やシステムなどは知りませんが、私は
電車の「デン」に蓄電池の「チ」を掛け合わせてデンチャなのではないかと推測しております。
お次は再び、821系が通過。
625H
うん。 安定の汚れ具合です。
そして本番。
回621D
バッチリ!😁
バリ順の中結構な速度でかっ飛ばして行きました。強いて言うならば、もう少し汚い編成が来てくれたらよかったのですがね… まあ、わがままは言わず、ちょっと足を伸ばせばまだ4連キハが撮影できるこの環境に感謝ですね。まだまだいろんな編成を撮影したいので、ここのショバには引き続き訪問したいところです。
余談ですが、バリ順のバリってどこの方言なのでしょう。
おそらく意味的には バリ=とても という意味で、順光の中でも最も良い光線状態のことを指すと思うのですが、福岡ではラーメンの麺の硬さの種類にバリカタという分類があり、こちらもバリ=とても という意味合いなので、福岡の方言なのでしょうか。
さらに、もっとニッチな博多弁でとてもを表す表現に ちかっぱ という言葉があります。
意味合いは バリ と変わりませんので、いっそのことバリ順ではなく、ちかっぱ順光=チカ順と表現するのもアリかもしれませんね…😅
よく分からない余談話はさておき、この後は午後にもう一本送り込み回送がございました。しかし、この後は天気が悪くなりそう…ということで、今回はこの一本だけの撮影で終了。帰宅の途につきました。
今回は1本の列車の撮影のために往復3時間ほど費やしたわけですが、それくらいの価値がある列車だということを再確認できた撮影行脚となりました。このショバで撮る回621Dは冬がシーズンですので、ちょうどいい塩梅の光線で撮影することができよかったです。
次は雪の日田彦山線だっ!
ということで、最後までご覧いただきありがとうございました。